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ホメオパシーは、今から200年前にドイツの医師ハーネマンがその生涯をかけて確立させた療法で、その起源は古代ギリシャのヒポクラテスまでさかのぼることができます。ヒポクラテスは自己治癒力の事を「自分の中に100名の医師がいる」と言っていました。
ホメオパシーとは何か、その有効性について。ホメオパシーとは何か?
(1)同種療法とホメオパシーの歴史
ホメオパシー以前の同種療法
ホメオパシーの起源となる同種療法の考え方の歴史は意外にも古く、古代ギリシャのヒポクラテスも、「同じようなものが同じようなものを治す」との言葉を残しています。
【古代】古代の文献には以下のような記述がみられます。
・ユダヤの古いバイブルMekilta「人間は逆療法を使うが、神は同種を使う」
・パラソーサス(1493or1494~1541)「Similia Similibus Curantur 同種は同種によって治される 」
その後は逆療法が一般に流布し、同種療法は民間伝承や民間療法などの形で細々と受け継がれていきました。
18世紀 ドイツ ホメオパシーの父ハーネマン誕生 医師としての活動を止める
ハーネマンは真の治療科を目指して医学校の道に進んだ。 苦学生だったためアルバイトをしながら学費を稼いだ。 念願の医師になったものの、医学校で教わった事で患者はよくなったどころか、より深い慢性病になっていった。 ハーネマンの執筆物の中に「治療しない方がましだった」 と記載されている。 ハーネマンは医学に絶望し治療を辞める。
当時の西洋医学において、瀉血が一般的な療法として民間でも行われていました。「病の原因は血の濁りにある」としてドンドン血液を流し、子どもは血液の4/5まで出され、静脈からも血液が出なくなるまで行われました。
また、膿瘍には水銀軟膏、性病には水銀カクテル。水銀中毒によりだらだらと唾液を垂れ流しになるまで行われた。
(2)ホメオパシー原理の発見 『同種の法則』
ハーネマンは、マラリヤの特効薬であるキナという植物の樹皮を健康な人がとると発熱、悪寒、腹痛、下痢などマラリヤに似た症状を示す事を発見から『同種の法則 』を発見。
『健康な人間に投与して、ある症状をひきおこす物質は 同じ症状もっている者を修正することができる(病気を治す事ができる)』
*同種療法(Homoeo - pathy)
同じ 病気 ⇒ホメオパシー
ホメオパシーは同種療法あるいは類似療法と訳されている通り、「症状を起こすものは、その症状を取り去るものになる」という「同種の法則」が根本原則になっています。 ギリシャ語で〝同じ〟という意味の「ホメオエ(homeoeo)」と〝病気〟を意味する「パシー(pathy)」を合わせた言葉で、近代西洋医学のように、症状を抑え込む療法とは正反対の、「症状には症状をもって制する」という同種の法則に基づいています。症状は体からにしろ、心からにしろ、必要があって表出しているのであり、それを出し切ることが治癒につながるという考え方です。
(3)マテリアメディカとは
健康な人がレメディーの元となる原物質をとって、その結果生じる症状をプルービングという。プルービングを書き取ったのがマテリアメディカ
(4)超微量の法則
ハーネマンはこの「同種の法則」に、症状を起こすものを非常に薄めて使うことにより、体に悪影響を与えることなく、症状だけを取っていくものとなるという「超微量の法則」を打ち建て、安全で体にやさしく常習性を持たないホメオパシー療法を完成させました。
たとえば、風邪を引くと体が発熱します。ホメオパシーでは、この熱に対し、熱を出す作用のあるものを体内に入れて共鳴させ、もっと熱を出させます。身体はこんなに熱が出ては大変と気づき、何とか治そうとして自己治癒力を活発に活動させます。ホメオパシーは、この自己治癒力の喚起を狙います。
ホメオパシーでは症状を抑圧するのではなく、症状を出し切れるように後押しします。そうして初めて心身ともに健康になると考えます。 私達の心や細胞が抱える不自然なパターンを解放し、体の芯から健康を取り戻す自然療法、それがホメオパシーです。
(5)レメディーとは
ホメオパシーでは、症状を増幅させるときに、ある作用を持つ植物・鉱物・昆虫などを徹底的に薄めた砂糖玉「レメディー」を使用します。レメディーは、元の物質がなくなるまで薄める「希釈・振盪(しんとう)」という特別な方法によって作られます。
例えば、 熱の症状に使うレメディー「ベラドーナ」の作り方は、摂ると高熱を発するベラドーナという花をまずアルコールに浸け、原液(抽出液)を作ります。その原液を、アルコールと蒸留水からなる液体に1対99の割合で入れ(希釈)、それを振って叩いて(振盪)混ぜ合わせます。こうして100分の1に薄められたレベルを1C(センチュリー)とし、12C、つまり12回同じことを繰り返すと、原液の物質は分子レベルで分析しても検出されなくなります。これを砂糖でくるみ、直径五㍉にも満たない玉を作ります。これがレメディーです。砂糖以外の物質は入っていません。
こうして作られたレメディーそのものには、何の効力もありません。砂糖以外の物質は何もないのだから、物質作用的な力はないのです。ただ、パターンのようなものが残っているため、体内の症状に共鳴し、自己治癒力の活動を発動させるきっかけを与えることができるのです。レメディーがどのような症状を示すかは、実際に人に投与し、その変化を観察して調べる(プルービングという)。身体的な症状だけでなく、感情的な症状も対象になります。たとえば、あるレメディーを摂るとイライラし、あるレメディーは悲しくなる。すると、このレメディーは怒り、あるいは悲しみのレメディーとして分類されます。実践結果の元に成り立つレシピなのです。
このレメディーは、不思議なことに薄めれば薄めるほど効果(ポーテンシー)が高くなります。科学的にそのメカニズムは証明されていませんが、実践の場において結果が確認されています。
(6)症状に対する考え方 - 症状は病気ではない
逆療法では症状を病気と捉え、これを薬や手術によって抑え込むが、ホメオパシーでは症状を病気と考えなません。すべての症状は、バイタルフォースという気の流れが滞ることによって引き起こされると考えます。
ホメオパシーでは心と体に加え、魂も含めた三要素が密接な関係にあると考えています。魂はこの世で果たす役割を担う、その人本来の姿(個性)であり、不変のもので、これを真我といい、心は自我といいます。構造的には、真我の周囲に自我があり、自我の周囲に肉体があります。 バイタルフォースは真我、自我、肉体のすべてに流れています。真我は変わらないから、バイタルフォースも常に一定方向に流れています。
最も変化しやすいのは自我です。自我は様々な要因からどうしても真我、つまり本来の生き方から離れてしまうことがあります。悲しい、苦しい出来事に遭遇してその都度乗り越えられればいいが、人生には様々な要因から感情を抑制しなければならないケースも多くあります。すると自我にこだわりが生まれ、バイタルフォースが滞り、結果、肉体の症状となって現れるのです。これは治癒の方向性と関連があり、後述しますが、自我と肉体の関係に限っていえば、肉体に現れる症状はすべて自我の歪みが原因であります。
つまり、症状は生き方を本来あるべき姿に戻そうとするバイタルフォースの働きの現われであり、病気ではないのです。症状の原因であるバイタルフォースが歪んだ状態こそ病気と考えます。そして、レメディーを摂ることは、本来のあるべき姿に戻ることにもつながっているのです。
(7)ホメオパシーにおける病気の定義
【病気と症状】
皆が病気と云っているものは症状であって、症状は病気の結果にすぎず、病(やまい)の気が始めにあるのである。それは目に見えない。何か調子が悪い、だるい(病の気の不調)から始まり、しまいに熱(症状)が出るのである。ホメオパシーは、症状の根源である病の気に同種で作用し、病の気に負けて熱を出していた自己治癒力(バイタル・フォース)は、同種の熱のレメディー(砂糖玉)Belladonnaによって、病の気が増えたように錯覚し、それに立ち向かうべく自らを奮い立て、病の気を押し出すのである。それに成功すると、自ずと症状も消える。
ゆえに、花粉症は玉ねぎを水と酒に漬けて、物質がなくなるまで薄めて(希釈)、1/100を30回薄め叩いた(振蘯)ものが玉ねぎのAllium-c. 30C(1060 銀河系に涙1滴の薄さ)。これを1滴、砂糖玉に垂らしたものを使う(一回の希釈ごとに叩くのは、玉ねぎの気(パターン)をH2Oの中へ鋳型のように入れ込むため)。
このようにすると、玉ねぎの物質そのものは全く残っていないが、玉ねぎの気(パターン)のみが砂糖に垂らされる。Allium-c. 30Cをとると、自己治癒力は玉ねぎ200個ぐらい入ったかのように感じ、それを押し出そうとする力(自己治癒力)が高まる。それによって花粉の症状は消える。
(8)病気を治すのは自分自身の自己治癒力
病気は人が治すせるものでなく、病気を治すのは自分自身の自己治癒力(バイタルフォース)しかない。自己治癒力(バイタルフォース)が健康な時、体に溜まった異物や老廃物などの非自己は、下痢や発疹、発熱などの急性病を出して排泄する。
しかし、症状を薬で抑えたり、感情を乱れなどで自己治癒力(バイタルフォース)が病気の状態の時、体内の老廃物を排泄する事はできない。
そのような時、同種のレメディーで病気の自己治癒力(バイタルフォース)を刺激する事で、自己治癒力は再び健康を取り戻し、体内の異物を除去し健康を取り戻す。
ホメオパス(ホメオパシー治療家)が、治したのではない。レメディーはきっかけを与えたにすぎない。 患者さん自らに備わった自己治癒力がレメディーによって触発され、健康を取り戻した自己治癒力(バイタルフォース)によって治るのである。
【例】
①健康な自己治癒力(バイタルフォース)― 腐ったエビを食べた⇒吐く
⇒症状は病気として薬で抑圧した場合
②病気の自己治癒力(バイタルフォース)― 腐った物を食べても吐けない
⇒体内に腐りが残る
(9)マヤズム
バイタルフォースの滞りによる症状は種々様々ですが、人には特定の型があり、その型によってどのような症状が出やすいかが分かる、といったら驚かれるでしょうか。
ホメオパシーでは、すべての人間には症状の原因となる病気の土壌であり、根本体質層を形作っている「マヤズム」があると考えます。これは人類の祖先から受け継がれている遺伝体質のようなものです。
マヤズムには疥癬、淋病、梅毒、結核、がんの五種類があるとされ、ひとりの人間が複数のマヤズムを持っているケースもあります。マヤズムは普段は活動せずに眠っているが、ストレスや病原菌や心理的なこだわりなどがきっかけとなって呼び覚まされてしまうことがあります。真我が不変であるのと同じように、マヤズムも治癒することはできない。悪さをしないように、寝かしつけるだけだ。いわば真我の裏の顔なのです。
このマヤズムは様々な体質的な症状もそうですが、行動についてもそれぞれ一定のパターンがあるとされています。
(10)まとめ
ホメオパシーは、単に症状を治癒に導くだけでなく、原因である心とからだのこだわりを解放します。本来の自分の役割など、生き方の指針をも示してくれます。
それは、 ホメオパシー自体が力を与えてくれるわけではなく、あくまでも主役は自己に本来備っている力が主体です。従って老人、子供、妊婦の別なく安心して使える。逆療法の考え方が一般的になっている現代日本にとって、ホメオパシーの叡智は多くの示唆を与えてくれます。
世界のホメオパシー人口
世界では「10億人以上が健康法として活用」し、「50万人のホメオパスが実践」している
ハーネマンのホメオパシー確立以後、世界各地に広まり、現在は世界で10億人以上が取り組んでいるポピュラーな代替療法です。英国国会で「最も安全な療法」と認められたほか、インドでは第一医学として用いられるなど、インドや、ドイツ、南アフリカ、メキシコなどでのように、5年制の大学(教育機関)のある国もあり、200年の歴史と多くの症例・ケースをもとに発展してきており、世界的に評価が確立されているものです。ホメオパシーを利用している様々な分野の著名人も多く、21世紀の代替医療の切り札としても注目されています。
現在、ヨーロッパ諸国の大半、41カ国でホメオパシーが使用されています。そのうちの14カ国では、有効な治療法として国家に公式に認められ、国家保健制度に加えられています。また、国家に公式に認められていなくても、国家保険制度に加えられている国は4カ国あります。
■イギリス
英国では王室の健康法としても親しまれており、英国国会で「最も安全な療法」と認められています。ホメオパスが1万人強もいる英国には4つのホメオパシー病院があり、日本における漢方のような位置付けで扱われていて、クイーンがスポンサーとなってホメオパシーの教育と活動を続けています。 現在、ヨーロッパ諸国の大半、41カ国でホメオパシーが使用されています。そのうちの14カ国では、有効な治療法として国家に公式に認められ、国家保健制度に加えられています。また、国家に公式に認められていなくても、国家保険制度に加えられている国は4カ国あります
■インド
インドでは、19世紀初めには英国植民地下で英国からホメオパシーが入り、インドが独立後、1952年に国家が国の医学としてホメオパシーを認め、今でも70%の人口がホメオパシーを使っており、ホメオパスが10万人以上とも、20~40万人いるとも言われているなど、ホメオパシーが最も盛んな国の1つです。 インドの偉大な指導者であったガンジーは、ホメオパシーを推奨し、ホメオパシーを第一医学としました。そのおかげで、抑圧のないインド人は健康そのもの。インドは経済的に貧しい国民が多かったことと元々現代医学者が少なかったため、ホメオパシーの発展がめざましかったともいえます。現在は100以上のホメオパシーの医学大学とホメオパシー病院があり、国の助成金を得て、保険があります。10万人以上のホメオパシー医がおり、現代医学とともに高い敬意を払われているインドの患者は、ホメオパシーを第一医学としてアーユルヴェーダ、現代医学の中からどこへ行くのか、チョイスできるのです。
■スイス
スイスでは、国民の約8割がホメオパシーの使用経験があり、約2割がホメオパシーを常用している。2009年5月17日に国民投票が行われ、ホメオパシーを含む5つの代替医療が憲法で医療として認めることが、国民の67%の支持と全州の賛成という圧倒的多数で承認された。
■キューバ
キューバでは、1990年代に、キューバ保険省が、従来の西洋医学体系に、ハーブ医学、中医学、ホメオパシー、バイオエネルギー医学などの自然療法や代替医療を統合させ、それ以来、特にホメオパシーの発展に力を注いできた。予防接種の代わりにホメオパシーのレメディーを使って感染症予防で成果をあげている。キューバが予防医学の歴史を変えたと言われている。